日本ヒスタミン学会発足にあたって |
日本ヒスタミン研究会が日本ヒスタミン学会として名称を変更し、学会活動を行っていこうということになりました。ヒスタミンは免疫アレルギーおよび胃酸分泌のメディエーターとして、また、中枢神経系の神経伝達物質として多彩な機能をもつ情報化学物質であります。また、ヒスタミン受容体サブタイプもH1, H2, H3, H4 の4種類のサブタイプが同定され、多くの研究者に接点を持つ研究分野に成長してきたと思います。そういう意味で、日本ヒスタミン学会が大きく門戸を広げて多くの研究者の交流の場になることを期待します。 このヒスタミン研究会の歴史を紐解きますと、1979(昭和 54)年に遡ります。当時、岡山大学の田坂賢二教授と大阪大学の和田博教授が一年に一回勉強会を開催しようと言うことになり、ヒスタミン研究会がスタートしました。それ以来、田坂、和田両教授を中心としたヒスタミン研究会が第17回まで続きました。両教授の退官後、ヒスタミン研究に興味のある研究者により日本ヒスタミン研究会が発足し、第1回の研究会が大阪大学の大和谷厚教授により開催され、第11回より学会に衣替えしようと言うことになり、現在に至っております。 冒頭にも述べましたように、ヒスタミンは末梢組織から中枢神経系まで存在し、多彩な機能を持つことを特徴とします。そのため、日本ヒスタミン学会における研究発表も種々の研究法を用いたさまざまな分野の研究発表に接することができます。このような学術集会から、研究における新しいヒント、新しいアイデア、新しい戦略が湧きだすことに役立つことが本学会の意義と考えております。もうひとつの本学会の特徴は和気あいあいとした自由な討論ができる場であると思います。日本ヒスタミン学会に変わったあとも、この良き点は是非続いて欲しいと思います。このような特徴を持つ日本ヒスタミン学会がヒスタミンというキーワードを持つ研究者の自由なふれあいの場として将来的にも役に立って欲しいと思います。 平成 20 年1月1日 日本ヒスタミン学会会長 福井裕行 |